ドーム型天井、クーポール

アール・ヌーヴォーを象徴するギャラリー・ラファイエットのクーポールは、建築術の傑作として人々に愛されています。このページではそのデザインと歴史について見ていきましょう。

パリ中心部に位置するギャラリー・ラファイエット・オスマン店。そこを訪れる人々は、壮麗なクーポールに目を輝かせ、この美しいガラス張り天井のある建物はパリを象徴する建造物のひとつとなりました。年間3700万人もの人々がこのデパートを訪れ、感嘆の眼差しを向けるアール・ヌーヴォー建築の至宝は、パリ旅行中には絶対に見逃せない必見スポットの一つです。実業家アルフォンス・カーンテオフィル・バデールが1912年に建設させた当時の背景に根ざす、その歴史をぜひご覧ください。

当店では毎日(営業時間を見る)、美しいクーポールとともに皆様をお迎えしております。パリ観光中に、建築術の傑作を見学したい方にとって、唯一無二のステンドグラスを誇るドーム天井の繊細で優美な姿は、きっと忘れられない光景になるはず。

クーポールの起源と建設

この建築術の傑作は、象徴的な三人の芸術家が協力して成し遂げられたもの。構造はフェルディナン・シャニュ、ステンドグラスはジャック・グリュベ、鉄工芸はルイ・マジョレルがそれぞれ担当しました。

熟練を極めたガラス職人ジャック・グリュベが「アール・ヌーヴォー」あるいは「アール・デコ」様式で建設したクーポールは、世界中から多くの人々を惹きつけてやまない、正真正銘の建築的至宝です。

このドーム天井建設の目的は、本館のルイ・マジョレルが店内に設置した華麗な黄金のバルコニーに光と個性を授けることでした。中央階段の壮大な手すりもマジョレルの作品ですが、これは1974年に店内から姿を消しました。

現在のステンドグラスは10個の束、計1000m²の面積で構成され、巨大な花の形をしています。ギャラリー・ラファイエット・オスマン店を訪れる際は、クーポールは絶対に見逃すことのできないお店の顔的な存在です。

百貨店の変化と工事、とりわけ度重なる階上増築に合わせて、クーポールは110年近い時を生き抜いてきました。

第二次世界大戦中のクーポール

時の流れに耐えてきたクーポールは、第二次世界大戦中に解体された以外に、特別な出来事に見舞われることはありませんでした。爆撃の際に割れてしまわないよう、そしてステンドグラスが割れた際に人々にケガをさせないよう、ドームが取り外されたのです。

解体の際にはひとつひとつ入念に番号がつけられたにもかかわらず、その後ステンドグラスのすべてを見つけることはできず、真っ白いガラスで行方不明のものを補ったため、クーポールは建設当時とまったく同じものではありません。

クーポールは時を経て、エッフェル塔サクレ・クール寺院凱旋門といった歴史的建造物と同様に、パリを象徴する存在と位置づけられるようになりました。クーポールは建築好きの方からはアールヌーヴォーの至宝として、またパリ旅行中の方からはインスタ映えする美しい写真スポットとして、現在も愛され続けています。

クーポールの修復

2021年春、ギャラリー・ラファイエット・オスマン店を代表するクーポールの改修が完了し、二年以上におよぶ大規模工事が幕を閉じました。創業以来、オスマン大通りの本店が経験した中で、最も重要な工事のひとつでした。この大改修はアール・ヌーヴォーの至宝に華麗な姿を取り戻させ、近代化と修復の必要性に応えるのが目的でした。

改修は極めて綿密な日程に従い、進められました。工事の第一段階はステンドグラスの修復と白いガラスの入れ替え。これが2020年10月に完了しました。第二段階は古いステンドグラスの解体と新しいステンドグラスの設置。これは2021年4月末に完了しました。

クーポールに第二の人生を授け、華麗な姿を取り戻させるために、改修と強化を担当したのはメゾン・デュ・ヴィトライユです。こうしてガラスのドームには輝かしい未来が待ち受け、これからも長い年月を通して人々を感動させ続けることでしょう。特にパリで最も訪問者数の多い記念建築物のひとつの顔として、これからもキラキラとした輝きでお客様をお迎えします。

1901年にナンシー工芸学校を創立したジャック・グリュベ作の、ステンドグラス天井をカバーする巨大なガラス製の屋根も設置されました。このガラス屋根は1000m²のガラスを使った大規模なもので、ギャラリー・ラファイエットの特徴である自然光が、ステンドグラスを通して店内に降り注ぐ作りになっています。

状態のよいステンドグラスは取り外された後、パリの工房にて汚れを取り除きます。モザイクの一片一片をしっかりと繋ぎ合わせて維持できるよう、鉛のフレームは新しくつくり替えられました。改修中のステンドグラスの位置には、代わりに臨時のプレートがはめ込まれました。

お客様の邪魔にならないよう、工事は夜間に行なわれ、まったく目立たない形で進行しました。

「クーポールは革新や職人技、豊かな文化遺産のシンボルであり、創作と商売をかけ合わせた象徴的な存在です。」

ギヨーム・ウゼ、ギャラリー・ラファイエットグループ広報&イメージ部長
フロアマップで場所をご確認ください
ご自宅からのご注文

次もご覧ください